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素材とデザインにオリジナリティを誇る

ラドーは、そうしたハイテクセラミックスを初めて腕時計に用いたブランドとして知られる。1986年、ブレスレットをセラミックスとした「インテグラル」がそれ。89年にはケースもブレスレットもセラミックスで成形した「セラミカ」を発表。これらが今の時計界を席巻するハイテク素材競争の発端……では、ない。実はラドーは62年にすでにハイテク素材をケースに用いているのだ。

炭化タングステンを主成分とし、やはり高圧成形・高温焼成によって生み出されるハードメタルである。既存のゴールドやスチール、プラチナよりもはるかに高硬度なハードメタルを用いた「ラドー ダイヤスター」は、初のスクラッチプルーフ・ウォッチとして大成功を収めた時計史に刻まれる名作。今回紹介する「RADO D-star」は、素材とデザインに同社の歴史を集約する新作モデルだ。

ステンレススチールのようにも見える、メタルな輝きを放つケースは、セラミックス製。93年に同社はすでにプラチナカラーのセラミックスを開発しているが、今回用いられるのは、原料の一部に炭化チタニウムを使用した新セラミックス「Ceramos(R)」。既存のセラミックスより硬く、そして軽量なのだという。ダイヤモンドホイールによって丹念に磨きあげられたCeramos製ケースは、極めてシャープな輝きを放ち、その独特の質感は傷つくことなく、永久に保たれる。

特徴的な楕円のケースデザインは、古くからの時計ファンならハイテク素材時計の先駆けダイヤスターの造作を受け継いでいると気づくだろう。世界初のスクラッチプルーフ・ウォッチは、最新のハイテク素材でより硬く、またいっそうモダナイズされた造作で現代に蘇ったのだ。

ラドー本社副社長のパトリック・ツィンクは、以前のインタビューで「ブランド名を確認しなくとも、時計を見ただけで、ラドーだと分かる。ほかに比べようのないオリジナリティが、ラドーの強み」だと語った。新作RADO D-starは、素材でデザインで、その言葉を体現する。